丈夫で長持ちテレスコープシステム① 茶筒のような二重冠構造~コーヌステレスコープ

丈夫で長持ちテレスコープシステム① 茶筒のような二重冠構造~コーヌステレスコープ

健康を維持するためには、しっかり噛める入れ歯が大変重要です。
「本当は怖いクラスプとインプラント」という記事では、なぜ当院ではバネ式のクラスプやインプラントをお勧めしないかということを書きました。
今回は、当院がお勧めしているテレスコープシステムのうち、「コーヌステレスコープ義歯」についてご紹介します。

テレスコープシステムとは?

テレスコープシステムは、入れ歯の技術では最も進んでいるドイツで生まれ、発展してきた入れ歯です。1866年に発明されたものですから、130年以上の歴史があるということになります。
ドイツ製品というと、「丈夫で長持ち」というイメージがありますね。テレスコープもそういうことを前提に作っているんです。
全体をつなぐ構造になっていますから、どこに力がかかっても全体に力が分散されて、どこかの歯だけに力が集中することがありません。
二重の冠でガチっとはめてしまう、ひとつの塊のような入れ歯
クラスプ式の入れ歯だと、入れ歯の部分にかかる力は他の歯が支えています。入れ歯にかかる力と、歯に直接かかる力の両方を他の歯が引き受けることになりますから、どうしても無理が生じます。
テレスコープは二重の冠でガチっとはめてしまう、ひとつの塊のような入れ歯ですから、全体で力を支えてくれます。
テレスコープには、大きく3つの種類があるのですが、この3種類を使えば、どんな状態でも歯の状態を回復できます。
こちらの記事で詳しく説明しているので、読んでみてください。

入れ歯の先進国ドイツ生まれ「テレスコープ式の入れ歯」

コーヌステレレスコープ~茶筒のような二重冠構造の入れ歯

コーヌステレスコープ義歯
コーヌステレスコープは、歯に冠をかぶせてカチッとはめ込むものです。歯の全体を包み込むことになりますから、力の重心が下がり、力の分散が起こり(ハンマー効果といいます)、他の歯も含めて全体が一体化します。

コーヌステレスコープは茶筒状なぜ外れなくなるのか、お茶を入れる茶筒を想像していただけるとわかりやすいです。
茶筒って、一度蓋をしてしまうと、強く振っても外れなくなりますよね。コーヌステレスコープも、真空密着状態になると簡単には外れなくなります。いわばゼロフィッティングですね。
紙コップのように角度がついていますが、この角度がなくてまっすぐだと、何かあったときに取ろうとすると、その力で歯がダメになってしまいます。
茶筒の蓋がゆっくり回せば簡単に外れるのと同じで、一度はめたら動かないし外れないけど、取ろうと思ったら取れるという角度がついているんです。

症例:咬み合わせを考慮しないブリッジをテレスコープで補修

これは90歳女性の症例です。

症例:咬み合わせを考慮しないブリッジをテレスコープで補修

左下の金属のブリッジが途中から折れてしまい、反対の奥歯が割れてしまったので歯を抜くことに。おいしいものを食べるのが楽しみなのに、奥歯がなくて食べられないとのこと。クラスプ式の入れ歯では入れ歯だとわかってしまうし、入れ歯が動いて噛みにくい、しゃべると浮き上がってしまう……

咬み合わせが悪いために、ブリッジでつながっていた歯が折れてしまいました。
奥歯と前歯にはそれぞれ役割分担があり、奥歯はまっすぐ噛む力だけがかるようにして、横方向の力を受けないようにしなければならないのですが、長年その状態だったために、ブリッジの金属がある日突然バキッと折れてしまったわけです。
何とかそのままの状態で噛んでいたそうですが、今度は逆側の歯が痛くなってしまったのですね。
こちらも本来はやるべきではない延長ブリッジという形でした。
歯がないところを手前の2本の歯で補おうとしているのですが、力がかかると歯を引き抜く方向に作用してしまう。3本の歯がつながっていたわけですが、奥歯が折れてしまいました。
さらによく見ると、前歯もセラミックが欠けてしまっているので、右も左も前も、ほとんど噛めなくなっていたわけです。噛めるところはほんのちょっとしかありません。
90歳は高齢ですが、いつまでも食事はおいしく食べたいということで、治療過程ではバネの入れ歯も使ったのですが、それでは食べるたびに挟まるし、話をしていると浮き上がってくるし、やっぱり嫌だということでした。
そこで、最終的にコーヌステレスコープという形にしました。
症例:咬み合わせを考慮しないブリッジをテレスコープで補修

これでもう何でもしっかり噛める、食べられるようになりました。
この状態であれば、食べ物が挟まったりということはほとんど起こりません。ごく薄くペースト状に膜のような形で入らなくもないのですが、ほぼ入りません。
つまり取り外しの必要がない、つけたらつけっぱなしでいいわけです。食後は必ず外して洗っていただきますが、それ以外は眠るときもずっとはめたままにしていただきます。逆に、はめておかないと歯が移動して戻らなくなってしまいます。

症例:もともとの治療の失敗はどこにあったか

次の症例は60代男性です。
歯は、基本的に咬み合わせが悪いと壊れてしまいます。
先ほども書いたように、奥歯には横方向からの力がかかってはいけないのですが、奥に向かって少し上に緩くカーブがついて、ちょうどカモメの翼のようになっています。

症例:もともとの治療の失敗はどこにあったか

歯が割れ、隣りの歯も根の先まで骨がなくなりグラグラして噛めない、食事が食べにくいとのこと。この2本の歯を抜かなければなりません。

このカーブがあることで、横に動いたとき、前歯は当たっても奥歯は当たらないということが起こるわけです。
ブリッジを作ったときの歯科医は下の歯がどうなっているかということを全然気にせずに作ってしまったのでしょうね。
実際の順番は分かりませんが、上の歯がなくなり、下の歯がだんだん伸びてきて、さらに前へ倒れてきた状態になったときに、上の歯を作ったのだと思います。だから、どうしても顎が動いたときにぶつかってはいけない方向から歯に力がかかってしまうようになったわけです。
この先近くまで骨がなくなってしまったのにもいろいろ理由があります。
根の治療後の心棒の金属が太すぎて、土台に使っている金属が歯を割ってしまっているし、骨もなくなっているので、4本しか歯が残らなくなるので、入れ歯にしないといけなかったわけです。

入れ歯も含めて、歯の治療においては、咬み合わせを考慮することはこのように非常に重要なことです。
次回は、かんぬきのような形をしている「リーゲルテレスコープ」についてご紹介していきます。

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