思い込んでいませんか?入れ歯についての13の誤解

「入れ歯ってかっこ悪い」
「入れ歯だとごはんがおいしく食べられない」
「入れ歯をしたら見ばえが悪くなる」……

皆さんが入れ歯に対して持っているイメージは、どのようなものでしょうか。
上のようなマイナスの言葉があれこれと浮かんでしまう方も多いのではないでしょうか?

けれど、それらは「入れ歯についての誤解」から生まれるものです。
本当に良い入れ歯は、決してマイナスのイメージを持たれるようなものではありません。

この記事では、入れ歯についての13の誤解を取り上げ、実際の入れ歯には様々な選択肢があること、入れ歯についての不安や不満、コンプレックスは解決できる可能性があることをご紹介しています。

現在、入れ歯を使われて不自由な思い、不快な思いをしている方。
これから入れ歯にすることが決まり、不安で、憂鬱な方。
若い年齢で入れ歯になるからといって、落ち込んでしまっている方。
そのような方々がこの記事を読み、入れ歯について前向きなイメージを持つようになっていただけたらと願っています。

入れ歯についての13の誤解

誤解1: 入れ歯はかっこ悪い?

もし、あなたが入れ歯に「かっこ悪い」というイメージを持っているとしたら、それはなぜでしょうか。

入れ歯と同じように失った歯を補う方法には、ブリッジやインプラントがあります。
ブリッジは、失った歯の両横の歯を支えに人工歯の橋(ブリッジ)を渡す方法。
インプラントは、自分の顎骨に直接、杭のついた人工歯を埋め込む方法です。

それぞれにメリット・デメリットはありますが、「失った歯を補う」意味では、この2つと入れ歯に違いはありません。

けれど、ブリッジやインプラントを「格好悪い」と感じる方はあまりいないのに、なぜか入れ歯には「格好悪い」という印象を持つ方が多いようです。

それは、入れ歯についての様々な誤解や古いイメージが関わっているのではないでしょうか。
ひと昔前の漫画には、しゃべっている最中に入れ歯がはずれてしまう場面や、入れ歯がガタガタしている人のイラストが出てきたりしますよね。

たしかに、技術の進歩していなかった頃には、そのように合わない入れ歯を使っている人が多かったかもしれません。しかし現代の入れ歯技術は、ひと昔前とはくらべものになりません。一口に入れ歯と言っても、様々な選択肢があります。

それに、日本よりもずっと歯科技術の進化が早かった歯科先進国のドイツや審美性の高さを求めるアメリカなどから、たくさんの入れ歯技術が日本にも入ってきています。

とくに、ドイツではテレスコープシステムというものがあり、はめこみ式の良い入れ歯をオーダーメイドし、状態が変われば修理をしながら大切に使用するという姿勢が根付いています。見た目の良さも優れていて、さすが、ブランド大国ヨーロッパ発という感じですが、日本でも取り扱う歯科医がちゃんといます。

今や、入れ歯は「格好悪いもの」ではありません。オーダーメイドで希望の歯列などを取り入れることも可能です。良い入れ歯は、病気で損なわれたお口の機能と美をサポートしてくれる、頼れるパートナーなのです。

誤解1: 入れ歯はかっこ悪い? → × 現代の入れ歯は、お口の機能と美をサポートする頼れるパートナーです。

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誤解2: 入れ歯は年寄りがするもの?

入れ歯というと、どうしてもある程度年齢を重ねてからのもの、というイメージがありますよね。
そこから、50代以下の年齢で入れ歯を使用することになって、「若いのに入れ歯なんて……」と、落ち込んでしまうケースがあります。

けれど、歯を失う原因は年齢による変化だけとはかぎりません。若い方の歯周病やむし歯は、進行も早い分、忙しくて治療を放置していたために、多くの歯を抜かなくてはいけなくなるケースもあるのです。30代ですでに入れ歯を使用されている方も決して珍しくはありません。

現在の入れ歯は見た目や使い心地のいいものが多く、入れ歯と相手に気づかれずに会話や食事を楽しんでいただけるほどです。

若い方ほど、選ぶ入れ歯によって、残った歯や歯肉の将来も大きく変わってくる可能性があります。
その場でかかる費用や手軽さだけではなく、長い目で見たコストパフォーマンスや、大切な生活の質を上げるという観点から、入れ歯選びを検討されることをおすすめします。

誤解2: 入れ歯は年寄りがするもの? → × 20代~50代の方でも入れ歯を使用されている方はいらっしゃいます。

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誤解3: 入れ歯は銀色のバネが目立つ?

ブリッジやインプラントに比べ、入れ歯にマイナスイメージが持つ人が多いのは、部分入れ歯をつけた時に目立つ銀色のバネのせいもあるのではないでしょうか?

健康保険内で作成される入れ歯は、基本的に金属製のクラスプというバネを使用します。それが前歯にかかった場合、どうしてもそのバネが見えてしまうことになります。

歯科医側も、患者さんの気にされる金属のバネを使うのは不本意なこともありますが、健康保険内で使用できる材料や治療法を決めているのは厚生労働省です。
現在の健康保険制度の中では、患者さんが保険内治療を望まれている場合、部分入れ歯には金属のバネを使わざるを得ないのです。

けれど、保険外であれば、バネが目立たない、あるいはバネを使わずにすむような多くの種類の部分入れ歯があります。
もちろん、予算との折り合いはあるかとは思いますが、金属のバネには残った歯に負担がかかりやすいなどの問題もあり、長い目で見たときのコストパフォーマンスは、じっくり検討してみないとはかることができないでしょう。

誤解3: 入れ歯は銀色のバネが目立つ? → × バネを使わない入れ歯もあります。

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誤解4: 入れ歯は痛い!

入れ歯接着剤のCMで、物を噛んで「イタタタタ…」と顔をしかめるシーンがありますね。
「入れ歯は痛い」というイメージは、案外そんなところから定着してしまっているのかもしれません。

けれど、それは合わない入れ歯に関しての話です。
上記でも触れましたが、保険適応内の入れ歯は、使用材料や治療方法に限界があり、患者さんのお口に合う入れ歯を作成することがかなり難しいのが現実です。

そのため、どうしてもすき間やがたつきが生まれ、物を噛んだ時に挟まったり、他の歯に響いてしまったりして、痛みが走りやすくなります。金属のバネの付け外しで痛みを感じる方もいらっしゃいます。

しかし、バネを使わず、はめこみ式など密着性の高い入れ歯なら、痛みの可能性は大幅に軽減され、硬いものを噛むことも可能になります。

誤解4: 入れ歯は痛い! → × それは合わない入れ歯を使用されている場合です。

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誤解5: 入れ歯は、はずれやすい?

これもマンガなどの描写でよく見られたものですが、しゃべったり食べたりしている最中に、入れ歯がはずれてしまったら……と気にされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これも、合わない入れ歯に限っての誤解です。
合わないまま使用を続けていると、金属のバネがゆるんだり、歯の大きさに合わなくなったりして、はずれやすくなってしまいます。

ですが、バネではなく、茶筒のように冠同士がぴったりとハマって固定される精度の高いテレスコープ義歯や、特殊な装具を使って固定するアタッチメント義歯などでは、途中ではずれてしまうという心配はほとんどありません。

誤解5: 入れ歯は、はずれやすい? → × 密着性の高い入れ歯があります。

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誤解6: 入れ歯は口元が不自然?

入れ歯にすると、いかにも人工の歯という感じになりそうで嫌だ……そんな風に考える方もいるかもしれません。

けれど、人工歯の素材にも様々な選択肢があります。
周囲の歯の色に合わせて、自然な見た目にすることも今は可能です。
白すぎるのが嫌だと感じる方なら、適度なくすみを入れることもできます。

入れ歯をしたことでむしろ、気にされていた歯の形や変色などが調整され、「口元が以前よりも美しくなった」と喜ばれている患者さんもおられます。

誤解6: 入れ歯は口元が不自然? → × 自然な見た目、むしろ口元の美しさを増すことも可能です。

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誤解7: 入れ歯は人にバレる?

保険内の部分入れ歯は金属のバネの問題がありますので、どうしても周囲の人に入れ歯と気づかれる率が高くなってしまいます。

けれど、金属のバネを使用しないノンクラスプタイプのものなら、外見から入れ歯とバレてしまうことはありません。

誤解7: 入れ歯は人にバレる? → × 人に気づかれずに使用することが可能です。

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誤解8: 入れ歯は、夜はずさないといけない?

普段は入れ歯と周囲に気づかれなかったとしても、人と旅行などで外泊するときに、寝るときにはずすからバレてしまう……そんな思い込みから、旅行をためらってしまう方も多いようです。入れ歯をはずした姿をパートナーに見られたくないという悩みをもつ方もたくさんいます。

そんなお悩みがある方は、ぜひ一度、歯科でご相談ください。
精度の高いテレスコープ義歯は、つけたままで寝てください。
外して寝ると、義歯と歯が合わなくなり、入れ歯が入れられなくなってしまいます。また、就寝中も咬合支持を確保することが気道の確保にもなり、呼吸がしやすく睡眠の質が向上します。
テレスコープ義歯は作成の精度が重要ですので、ご相談の際はテレスコープ義歯を積極的に扱っている歯科を選ぶことをおすすめします。

誤解8: 入れ歯は、夜はずさないといけない? → × つけたままで寝てください。

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誤解9: 入れ歯をしていると、口が臭くなる?

こんなイメージも、テレビCMの影響かもしれません。
入れ歯にしたために口臭が強くなるわけではありません。入れ歯の種類によっては、入れ歯や周辺の歯の衛生を保つのが難しくなる場合があり、その結果、お口に汚れがたまり、口臭が出るようになります。

お手入れがしやすく衛生が保ちやすい形状の入れ歯を使い、適切なケアを行っていただければ、そのような心配はありません。

誤解9: 入れ歯をしていると、口が臭くなる? → × 衛生を保ちやすい入れ歯ならそんな心配は無用です。

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誤解10: 入れ歯をしていると、ご飯がおいしくない?

「入れ歯にしたらご飯がまずくなった」
「おいしいものを食べる楽しみが失われた」
そんなふうに嘆く方がいます。
でも、ご自分の口に合った入れ歯でしっかりと噛むことができれば、入れ歯でも食事を楽しんでいただくことができるのです。

残った歯や歯肉と入れ歯との密着率が高いほど、食事の際の不自由や違和感は少なくてすみますので、その面でも、はめこみ式の入れ歯などは優れています。

誤解10: 入れ歯をしていると、ご飯がおいしくない? → × 入れ歯だからというわけではなく、噛む能力との関係です。

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誤解11: 入れ歯は何回も作り変えなければならない?

保険内の入れ歯にすると、どうしても合わない部分が出てきやすくなり、何度も作り変えることになる方も多いようです。

けれど、修理しながら使える入れ歯を選択し、30年以上使っていらっしゃる方もいます。

誤解11: 入れ歯は何回も作り変えなければならない? → × 良い入れ歯は一生ものです。

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誤解12: 入れ歯はインプラントに劣る?

失った歯を補う方法としては、自分の顎骨に直接杭のついた人工歯を埋め込むインプラントという選択肢もあります。
費用が高い、手術が怖い、症例に合わないなどの理由でインプラントをあきらめ、入れ歯を選択される方もたくさんいらっしゃいます。

インプラントはたしかに優れた治療法ですが、後のメインテナンスや修理が大変だったりする面もあるので、状態によっては入れ歯の方が向いている場合があります。

誤解12: 入れ歯はインプラントに劣る? → × 状態によっては入れ歯が向いている場合もあります。

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誤解13: 保険外の入れ歯は歴史が浅い?

保険外の入れ歯は、歴史が浅そうで何だか心配……と不安を持たれる方もおられるようです。
けれど、先にもご紹介したテレスコープ義歯は、ドイツではなんと130年もの歴史があるのです。

日本でも、すでに多くの方が保険外の入れ歯を長く使用されています。決して歴史が浅いということはありません。

誤解13: 保険外の入れ歯は歴史が浅い? → × 海外では100年以上の実績があるものもあります。

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まとめ ~入れ歯のお悩みはあきらめないで、かならず歯科医に相談を

いかがでしょうか。
入れ歯については様々な誤解があります。
「入れ歯ってどうせこんなもの」と、不自由やコンプレックスをあきらめたり、不安を募らせて入れ歯治療をためらう方もたくさんいますが、実際には、入れ歯には様々な選択肢があるのです。
採用している方法や素材、作成の精度などは歯科によって違いがあります。
入れ歯についての不満やお悩みを抱えている場合は、入れ歯治療に積極的な歯科で相談してみましょう。

入れ歯は、メガネと同じで、大切な体の一部です。
現在はメガネどころか、便利なコンタクトレンズのように、「目立たず・密着し・違和感が少なく」快適に使える入れ歯もあります。せっかくなら、気に入ったものを大切に長く使用したいですよね。

費用の面でも、安くて合わないものを何回も作り変えたり、お悩みを抱えたままで使用するより、納得のいくものを前向きな気持ちで使い続けられる方が、長い目で見ればお得とも言えます。

入れ歯は、その場しのぎのものではありません。一生をともに過ごすお口のパートナーです。
入れ歯に対する誤解を解き、ご自分に合った入れ歯選びを検討してみませんか?

入れ歯に対し何を重視したいかは、人それぞれによって異なるかと思います。少しでも快適に前向きな気持ちで入れ歯を使っていただくためにも、ぜひ、お悩みや不満は正直に歯科でご相談ください。

「治療法や入れ歯を入れてくれる先生に意見や不満を言うなんて……」と気にされる方もいるかもしれませんが、患者さんの満足度は、治療においても何より大切な要素です。
見た目や不具合を気にしながら使用するのは、お口だけではなく、精神的な負担がかかってしまいます。

予算には、デンタルローンや高額医療費控除などの制度も利用できますので、その面での不安も遠慮なくご相談ください。

 

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