人間に必要な「咀嚼」について考えたら「生きがい」にたどり着いた

人間に必要な「咀嚼」について考えたら「生きがい」にたどり着いた

咀嚼のメカニズム

 抜けた歯をそのままにしておいたり、具合が悪い入れ歯を放置している、どのようなことが起こるでしょうか。
 歯が健康でないと、咀嚼(そしゃく)能力が低下してしまいます。
「咀嚼」というのは、食べものを口の中で噛みきり、噛み砕き、すりつぶし、飲み込める大きさにすることです。
 咀嚼は、あご、あごの関節、あごを動かす咀嚼筋、そして歯を使います。さらに、唇や頬、歯ぐき、舌などの周辺器官も必要になります。

 ものを飲み込むまでの口の動きをよく見てみましょう。
 まず唇と舌が食べ物を中に運び、その食べ物が歯の間からこぼれてしまわないように、頬を使って挟み、派手噛みきり、噛み砕き、すりつぶしを行います。これらの咀嚼が正常に進んでいるかを確認しているのは、口の中の粘膜です。食べ物の中に異物があったりする場合には、粘膜がそれを発見してくれます。さらに、唾液が分泌され、食べ物を柔らかくしたり、飲み込むための潤滑油の役割を果たしています。
 様々な器官とその機能が、咀嚼ということにかかわっていることがおわかりいただけたでしょうか。
 このどこかに異常があれば、人間は正常な咀嚼を行うことができなくなります。
 咀嚼には、次のような働きがあります。

  • 食べ物を噛み砕くことで、胃などの消化器官の機能を助け、消化されやすくする
  • 食べ物を噛み砕くことで、食べ物に含まれる「味」を唾液の中に溶出させ、味を感じさせる
  • 唾液や消化液の分泌を促し、胃などの消化・吸収を助ける
  • あごや周辺筋肉・関節に刺激を与えて、正常な発達や成長を促す
  • 口の中に食べ物が残らないようにして、清潔な状態を保つ

咀嚼ができないことをカバーできる方法はあるか

 咀嚼がうまくできなくなると、食べ物を小さくするのに時間がかかりますので、まず、食事の時間が長くなることになるでしょう。
 家族からそれを指摘されたりして、早く食事を終えようとして、小さくなっていない食べ物をそのまま飲み込んでしまうような食事方法になってしまう人がいます。そもそもあまり噛まずに済ませようとして、柔らかい食べ物ばかり食べる人もいます。
 自分だけ別メニューになってしまうことから、家族との団らんの機会が失われてしまったり、外食でも制限があったり、旅行にも行けなくなってしまうかもしれません。
 一方、食べ物を十分に噛まずに飲み込んでしまうような食事方法は、胃や腸には負担がかかり、うまく吸収されないことになりますし、柔らかいものばかりを食べていると、偏食の弊害も出てきます。
 高齢の場合はとくに、栄養バランスのいい食事はとても大切です。
 たとえば、野菜は食物繊維が多いために、歯に問題がある人が苦手にする食べ物ですが、多くの高齢者は胃腸の消化運動が低下しているために便秘がちな人が多いので、ぜひ食べてもらいたい食材です。もちろん、高齢者でなくても、食物繊維は健康な生活のためには必要なものです。
 こういった問題は、調理法で解決できるでしょうか。
 細かく刻んだり、とろ火で煮て柔らかくしたり、ミキサーなどを使ってジュースにしたりして、飲み込めればいいという考え方をすれば、問題ないのでしょうか。
 そのように液状のものだけを摂取していると、唾液が必要なくなってしまうために、分泌されなくなってしまいます。唾液は食べ物の消化を助けるものですから、これはとても問題があります。
 硬いものを食べることは、口の中や顎などに刺激を与えるという意味があります。柔らかいものばかりを食べていると。そういった部位がだんだん衰えてしまうのです。

痛みや不快をなくすだけでは足りない。人間には生きがいが必要

 最近注目されている言葉に「クオリティ・オブ・ライフ」というものがあります。
 Quality of lifeの頭文字をとってQOLなどとも呼ばれますが、これは「生活の質」「生命の質」という意味で、単に身体的な苦痛を取り除くだけでなく、精神面や社会面も含めて、人間としての総合的な活力、生きがい、満足度ということを指しています。

 かつての医学や福祉では、歩行や摂食、衣服の着脱、洗面、入浴、排便などという限定的な日常生活を介助することだけが目指されていました。しかし、今では、それだけではなく、当事者の望む生活の質を確保することに目が向けられるようになっており、身心の健康はもちろん、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション活動、レジャーなどが充実していなければ、人間らしい生活を送れないとされているのです。

 そもそも、食事というのは楽しむべきことです。様々な風味や食感を楽しめてこそ、毎日の食事を楽しむことができるのですから、それが失われてしまったら、食事の時間に対する興味も、そしえ食欲も失われ、気力までも失われてしまうでしょう。そのような状態が続けば、健康にも影響が出てしまうのは当然のことです。
「食べること」は、高齢者に限らず、人間が生きていく上にあたって大きな生きがいとなるものであり、高齢者の場合は老化が進行していくことを防ぐためにも必要なものです。
 食事を楽しめない生活は、行動範囲が狭められてしまうことを意味しますので、どうしても消極的なものになってしまうでしょう。
高齢者にかぎらず、前歯などを抜けたまま放置することは、容貌に与える影響も無視できません。人目にもかかわりますので、社会生活を送ることにすら自信をなくしてしまうかもしれません。
 また、歯がない状態では、人間はうまく発音することができなくなります。何を言っているのかわからないような状態になってしまっては、コミュニケーションさえできなくなり、さらに引きこもるような生活になっていくことも考えられるのです。
人間に必要な本能「咀嚼」を入れ歯が取り戻してくれる」という記事で詳しく書きましたが、「ものを噛むこと」は、人間の大切な本能なのです。

人間に必要な「咀嚼」について考えたら「生きがい」にたどり着いた まとめ

 生きがいのある、健やかな生活を送るためには、良い入れ歯が果たす役割は非常に大きいものです。入れ歯と上手に付き合うことは、楽しく人生を送るために必須のことなのです。
 入れ歯を作ることにためらっていたり、今つけている入れ歯に満足していない人はたくさんいます。
 入れ歯についてもっと知識を深めれば、さまざまな悩みはきっと解決します。
 ぜひ、諦めずに、あなたの人生を輝かせる入れ歯治療を検討してください。

 

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